| カビの総論 |
カビ類の数は、一般に65,000とも70,000とも言われていますが、
建物にとり つきやがて建物の付属品や構造物そのものを変質変敗させたり、
悪臭を出したり、時には人間や動物さえも襲う菌類は広範囲な有機物基質に存在しています。
そして、それらはきわめて当たり前の菌類なのです。
それらは、建物の中で生育可能な環境になった時に組織的な集落(コロニー)を形成します。
この時点でカビが生えた、という事になります。
その大部分は不完全菌類であり、他にも藻類・担子菌類などが有ります。
担子菌類は室内の畳などに極度に発生・発育した場合は大きなキノコになる事も有ります。
これらの発育は一様ではなく、浴室など水気の多いところでは水せい菌などによりスライムを形成させたり、
無機質な物は独立栄養型微生物(細菌)によってカビからコケ等の発育に至るなど、多様であります。
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| カビの生育条件 |
1. |
酸素:カビは普通、好気性で呼吸の為酸素が無くては生きられません。
しかしながら、嫌気性の菌も確認されています。
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2. |
温度・湿度:最適温度は25〜30℃、湿度は80%以上が最も適した範囲です。 他にも好冷性及び60℃でも生きるカビも有ります。
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3. |
pH:殆どのカビは微酸性でpH4.0〜7.0の範囲が最適です。
強アルカリ中では生きられないので昔から漆喰や床下には石灰が日本家屋では使われていました。
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4. |
水分量:水分活性(AW)は食品中の水状態・水の存在を示した単位です。
カビ自体の水分量は60%以上・細菌は80%以上です。発育に必要な水分量はカビで15〜50%です。
水分活性(AW)は好乾性カビで0.93です。
どのくらいかと言いますと、0.65以下では干しエビ・0.9でソーセージ位、
したがって人の住む家は湿度が高く、結露すれば当然の事ながらカビの温床になります。
乾燥すれば好乾性菌があり、 その好乾性菌が日和見感染症などの病原菌となるのです。 |
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5. |
栄養分:ゴミや埃、アンモニアなど。
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カビの生物的分類 |
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眞菌類 |
カビは菌糸をのばして栄養源や水分を取り、胞子という種や実のようなものを作るが植物のような葉緑素を持たないが盆栽のようにも見える微生物です。
カビの仲間である酵母は主として発芽によって増殖し、そのほとんどが単細胞で暮らし、まれに外敵があったりすると菌糸をのばすような菌(カンジダ)もあります。
自然界に分布しているカビ・酵母などの眞菌類が70,000種と言われます。
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子のう菌 |
糸に竹の節のような隔壁があって、菌糸と菌糸が接合して接合胞子を作り雌雄を含む胞子のうの胞子が発芽して菌糸を作り出して増殖することでチャワンタケ・アミガサタケなどの木材不朽菌などもそれです。 |
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不完全菌 |
建物に多く関与するカビの代表で隔壁のある菌類で有性生殖のないものを言うが大部分は前者の子のう菌の不完全世代のものと言われています。 |
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藻菌類(接合菌) |
菌糸に隔壁のないカビで、有性生殖によって増殖する菌でケカビ、クモノスカビなど建物にも縁の深いカビです。 |
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担子菌 |
菌糸には隔壁があり、有性生殖後に菌糸の先が膨れてキノコ状になる菌糸でキノコの大部分、木材不朽菌などがあります。 |
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細菌 |
細菌の中には無機化合物を工ネルギー源としているものがあります。
例えばアンモニアや亜硝酸を酸化すするものや、鉄・マンガンの酸化物を沈積させてしまう物、水素ガスを水に酸化する物など無機化合物により増殖する細菌を独立栄養型微生物といいます。
よくコンクリートは無機質だからカビは生えないとよく建築家はいいます。
しかし現実はコンクリートでも石でも金属でもカビが生えるのを見かけます。それは表面に水分が溜まったり、ホコリが付いたりしてカビてしまうこともあるのですが、
ただこの場合は表面的で少なくとも食い込んで取り難くなる事はあまりありません。
無機質を酸化分解する微生物が作り出した栄養源に出来る従属栄養型すなわちカビが付いてくることによって、石もコンクリートもカビが生えたという事になります。
この状態も生物の生存環境のプロセスの一つです。
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好気性と嫌気性菌 |
微生物は生育に於ける酸素要求によって4群に分けられます。
酸素のない時だけ生育できる菌群の嫌気性菌は
チトクローム(蛋白の一種)系の酵素を持たないため酸素を利用することが出来ず、
酸素が存在するときは代謝(一定の物質的構成で維持するため部分的に絶えず物質の交換を行って動的平衡を保つこと)で生じた過酸化水素により殺菌されてしまいます。
カビと酵母は好気性(酸素を必要とする)ですか、最近の事例でクラドスポリウムの一種にやや嫌気性の物があるのが分わかりました。
そのようなカビがコーキングの中の方に食い込むようです。
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グラム陰性と陽性 |
殺菌剤の分類においてグラム陰性と陽性そして抗カビ・抗ウィルスにより、分類することは殺菌支術で重要なことです。
グラム陰性菌はグラム染色(細菌の分類上に使うゲンチアンバイオレット色素液という)後、最後のアルコール処理で脱色された物、反対に紫色に染まったままの物をグラム陽性菌という。
カビは全てグラム陽性菌です。
代表的な細菌の陰性菌は大腸菌・チフス菌・緑濃菌・コレラ菌・腸炎ビブリオなど、陽性菌は黄色フドウ球菌・乳酸菌・枯草菌・ボツリヌス菌などです。
我々の職種に直接関わりのあるものは緑濃菌・セラチア菌などのグラム陰性、枯草菌などのグラム陽性菌などがあります。
そのうちセラチア菌は漂白できない色素を作り出したり、枯草菌は悪臭の原因などになっています。
又、最近ではアトピー症などの患者の家にはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌などが存在していると言われます。
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藻 類 |
水中に生育して光合成を行う下等植物の総称を藻類と言います。
珪藻・ユホグレナ・クロレラ・藍藻なとで、単細胞よりなる微小藻類は微生物として扱われています。
光合成で独立栄養型で原核細胞を持ち湖沼・海水・土壌中に生息していますが、
藻類や光合成細菌の中にも光のない条件下では有機物をエネルギー源として好気的増殖するものもありますから自然界というのは複雑です。
葉緑素があるかないかということは、その生物の生活を決定する最も重要なことです。葉緑素を持つ植物は、日光エネルギーを利用して炭素ガス(Co2)と水(H2O)から炭水化物を合成します。
炭水化物は地球上の全ての生物の体を作り上げる基本的な有機物で生物の生命活動に必要な工ネルギーの供給源でもあります。
これに対して動物や微生物は葉緑素を持っていませんので無機質から有機物を合成することが出来ませんから、動物や微生物は植物が合成した有機物を確保します。
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